ようやく大規模修繕工事の施工業者の選定までが終了しました。
ここまで辿り着くには、長い道のりがある事でしょう。
ですが、まだまだ重要なプロセスが残されています。
設計段階で予め設定された着工(工事開始)時期に向けて、諸々の準備を進めなければなりません。
総会により工事項目と範囲、施工金額などが承認されたわけですが、
この内容で工事請負契約を締結することになります。
大規模修繕工事の施工業者選考の段階で施工者が提示した内容を契約書に反映させることは重要です。
特に、見積条件として発注者である管理組合が示した条件はもとより、
施工者が示した付加価値的なサービス内容に関しても、
後々解釈に齟齬を生じさせないように確認しておく必要があります。
ですので、契約書の取交しを行う前に、修繕委員会や理事会内で大規模修繕工事の施工者が提案した内容を確認し、
契約書の添付資料とするか、契約書そのものに記載を行うかなどの検討をする必要があります。
これらを踏まえたうえで大規模修繕工事の施工者に契約書のひな型を『契約書(案)』として
作成してもらうと良いでしょう。
最終的に、前述の内容のすべてを確認し、不明な点をすべて解消した状態で押印することをお勧めします。
契約書の取交しと並行して進める必要があるのが、大規模修繕工事の施工者による『工事説明会』の実施です。
この説明会は、区分所有者だけではなく、全ての居住者を対象として開催されるべきものになります。
中には実際にはマンションに居住しておらず、遠方に居所を構えている区分所有者もいることでしょう。
このような方も対象にして説明会の開催を周知しなければなりません。
大規模修繕工事は、居住者の普段の生活がある中での工事となります。
工事期間中は、日常生活において制限が出る事項も発生しますので、
可能な限り説明会に出席し、工事期間中の留意事項などを確認し、
不明な点などは出来るだけ工事着工前に解決しておくことが、トラブル防止につながります。
工事説明会が終了しましたら、工事着工まで、もう間もなくです。